あの◯◯の技は間違っている!
◯◯の技とはこうだ!
と、自分の正しい技はこうだと振りかざすことで、
かえって教える拳士との距離が遠ざかってしまうことになります。
自分自身が強く思う技の正論というのは、教える側の自己満足になりやすいと思います。
それを聞く拳士が、納得できるか?
どの拳士でも受け止められるか?
は別の話でしょう。
本当に教える拳士のことを思うなら、
まずはその拳士がいる場や心の状態を伺う必要があると思います。
先ずもって教える拳士は、
自分自身ではない違う拳士であるということです。
たとえ正しい技術論であっても、相手の拳士が技について強く思い込んでいたりすれば響かないし。
例え正しい指導でも責めに聞こえてしまうことがあります。
タイミングも影響してしまうので、あまりにも無視して自分の正しさを投げつけるのは、独善になってしまうことにつながるでしょう。
正しさを語るときほど、強要せず、自分の経験と言葉ではすべきではないかと思います。
ただ教える立場の人はやはり結果を求められてしまうプレッシャーがあります。
教える哲学や思想は大切ですし、教わる拳士も期待し過ぎるのは良くないのですが、指導者は正しさよりも「相手に届くか?」を大事にすることで、反発ではなく気づきになることが多いのではないかと思います。
それを決めるのは、
どう見せて、言って、聞かせるかだと思います。


