若い指導者の強いこだわりは変化を拒み成長を止めてしまう。
ベテラン指導者が培った信念は変えずとも違いを許容することが大事。
若い頃にもっていた指導信念は強い想いがあっても必ずしも良いとは限りません。
その時に「これが大事だ!」と決めていたことでも、
指導経験を積んでいく過程で過去に思っていたことと違ってくるからです。
ただ信念が変わることを恐れる必要はないと思います。
人は色々なことを経験していく中で変わっていくものですから。
例えば「演武は技量が全て」と思ったら、
「いや、やっぱ構成かな」と思ったり、「気合いをもっと出さないと」とか揺れるものだと思います。
はじめた頃と、
歳を追って経験を積んでいく中で培った「技が大事」は、若い頃と比べてレベルが全く違います。
色々なことを経験した上で「やっぱりこれかな?」と、試行錯誤しながら成長していくということが大事だと思います。
それを軽視して自分の信念にこだわり過ぎて「これが正解だ!」となると、
凝り固まり過ぎて変化を期待できず成長が止まってしまうことになります。
若いうちは変えやすいのに、せっかくの成長の機会を自ら手放すことになります。
私は大学を卒業と同時に後進の指導に当たりましたが、
あまりにも世間知らずったので、
「なんか違う、思うようにいかない」ということが多々ありました。
強いこだわりのせいで変わる機会を失ったことも多いです。
ただ指導に関する失敗も多かったせいか、
「これでは結果が出せない」「このままではいけない」と思えてきたので、ほんの少し変われたと思います。
誰でも歳とともに頑固になっていくものだと思いますが、若いときは柔軟性があるので、変化しやすいうちに、多くを経験して時々「これでええんかな?本当か?」と自問自答しながら指導力を磨くことが良いと思います。
それは歳をとった今になっても、指導をする立場であれば変わらず一生続いていくことだと思います。
とは言っても指導現場での判断はドンドン変わることがあると思いますが、
長年指導に携わると「これだけは譲れない」とかがどうしても出てしまいます。
その時は「俺は間違ってない!」って自分の指導信念を強く持ちながらも、
周りの拳士と違う意見も許容することが大切なのだと思います。
例えば今の若い拳士は動画ばっかり見てアカンとなっても、
それが進化なのか後退なのは分かる拳士は誰もいないと思います。
譲れないところもあるけど、今の若い拳士にとっては、
こういった考えがあるのだなと違いを受け入れないと、指導力は変化しないと思う今日この頃です。


