演武は法形を好きなように組み合わせて技法の向上を図るもの。
構成の自由度が高いほど選択する楽しみも増えるし、
色んな意味で客観的に技を捉えることができて幅が広がると思います。
ので、
演武指導では原則的に「こうしろ」「ああしろ」と、
改善を求めてアドバイスするより、
本人らが「やりたい構成」を好きなようにできるようにアドバイスした方が良いと思っています。
敢えて言えば「演武」だからです。
直す指導ではなく、得意を活かす指導。
良いところを見つけて改善点を教えてあげる。
教えを求めてこない者に対して教えても意味はありません。
人をコントロールすることはできませんし、
そもそも演武なので自分がやりたいことしかやろうとはしません。
よほど、どん底に落ちないと悪いところはなかなか気づきにくく、気付いても我流を通したい拳士も多くします。
改善は期待しない方がいいと思います。
あと「演武」とはこうあるべき!
と「ズバッと言ってくれて、ありがとうございます!」 て言う大学生拳士は残念ながら、ほとんどいません。
ズバッと指摘されたら、「何このひと、嫌い!」と思われやすいかと。
自分が理想とする演武をするのは良くても、
他人に対してその演武の価値を求めることは好ましいことではありません。
認めたくない演武は誰にでもあります。
それでも、
あなたがもつ演武の価値観は一番正しいのですか?
演武は修練の一部ですが全てと思っていませんか?
理想とする演武を今、相手に見せられますでしょうか?
なので改善を求めることは強要すべきでないのだと思います。
賞を取りたい拳士であれば聞き入れることはありますが、
できれば相手のやりたいことを否定せず、
望むようになるようなアドバイスだけをしてあげれば良いと思います。
一部の古参拳士に限らず、
演武に関して物凄く強い価値観を持つ拳士は、大学生拳士の演武を否定しがちです。
現代の演武に違和感や認めたくない気持ちは分からなくもないですが。
それでも無理に変えることはしないほうが良いと思います。
鬱陶しいとしか思われません。
所属長から言われるのならまだしも、
どこぞの知らない拳士から言われると余計に気分を害します。
指導する場合でも教える相手からの信用を得るためには、
あえてこちらから何か教えずにいた方がいいと思います。
質問をされた時に質問に対してだけ真剣に教えて、他は言わなくて良いと思います。
先ずは聞く耳を持たせてから教える。
教えたあとは、辛抱強く、我慢しながら、待つしかありません。
相手の質問に答えてあげてるだけでいい。
結果は本人たちが許容することです。
ただ申し訳ないですが大会出場経験がないとか、
技が下手なのは信用されません。信憑性が低いんですね。
昔は動けたけど今は体現できないも微妙です。
動画があれば見せることで大学生拳士には勉強になるかもしれませんが、
見本を見せらないようであれば大きな声をあげないほうが良いと思います。
そもそも自分が出場するわけではないので、
そういう演武をと言うなら出場して結果を出すこと。
ただ上手でなくても、
気づけることは大いになると思いますので、
演武を感想を率直に伝えるだけでも学生拳士には気づきになると思います。
必ずしも達人級である必要はないと言うことです。
これまでいくつかの道院・支部を見学させて頂きましたが、
所属長の「技量」が門下生に比例しているところを拝見したことはありません。
全てを見たわけではありませんが、ほとんど関係ないと思っています。
とかく大学生拳士に演武を教えると言うより「やりたいこと応援してあげる」だけで構わないと思います。
演武を良くするアドバイスを望んでなく、自分たちができそうなことを教えて欲しいのだと思います。