近年、演武技という言葉を耳にすることが私自身は増えた。
しかし、演武技または演武用の技は、少林寺拳法に存在しないはず。
演武は演武、乱捕り(運用法・立合評価法含む)は乱捕り、と区別することは非常に好ましいことではないと思う。
技の使い方に違いはあるが、そもそも同じ技を用いる。
技を修練する上で、健康のため、護身のため、精神修養のためであれ、目的が異なったとしても動きはみな同じ、つまり技は全て同じ。
同じ技を用いるのであるし、修練も同じであるはずなのだから、演武をすれば技が上達するはずであろうし、乱捕りも強くなっていくべきである。
したがって、演武をすれば乱捕りも強くなる。乱捕りをすれば演武が上手くならないといけないと思う。
同じ技を修練するのであるから、演武・乱捕りのどちらを修練しても、それぞれに好影響がなければ修練そのものが間違っていると私は強く思う。
演武及び乱捕りはあくまでも修練方法であって、修行の過程で一時期は特化するのは良いかもしれないが、目的化してはいけない。
私の恩師は、「大会で入賞する演武は教えていない」と、言われたそうです。
知人から10年以上前にそう聞きました。