「毎月、武専に通っています」 「有名な先生の講習会に参加してきました」 「色々な道院へ出稽古に行っています」

このように、外の修練の場へ行くこと自体に満足し、誇らしげに語る拳士を時折見かけます。 しかし、東京日本橋道院の道院長として、私はあえて厳しい言葉を投げかけたいと思います。

「それで、あなた自身の技術はどれほどのものになっているのですか?」と。

技や知識の「コレクター」になっていないか

誤解を恐れずに言えば、私は「武専・講習会・出稽古への参加は、決して一番大切なことではない」と断言します。 修練において最も重要なのは、自分が所属する「道院・支部での日々の稽古」です。

とにかく色々な技、色々な知識を外でどんどん教われば、自然と人も技も磨かれる……なんてことは絶対にありません。 一番大切となるのは、あくまで自身の身体の「ベース(土台)」となる部分です。

習ったことを「無意識」で忠実に再現できるか

外へ新しい知識を求めに行く前に、まずは自分の胸に手を当ててみてください。

「道院で教わった基本は、正しくできているか?」 「意識せずに、師匠に習ったことを身体で忠実に再現できるか?」 「そして、それらを日常的に継続できているか?」

たとえ高段者であっても、修練をサボれば自らの内部感覚は鈍り、技は確実に色褪せます。 「もう修練する必要のない拳士」など、この世に一人として存在しません。その事実を、まずは強く意識してほしいのです。

アレコレ手を出さず、一つのことを「完璧」にする

心から尊敬できる師匠に所属道院で出会えたのであれば、「もうこの人にずっとついて行くんだ」という強い覚悟を持って、その教えを受け続けるべきです。

教えられた基本を、徹底的に身体に染み込ませること。 たった一つでも良いから「完璧」にすること。これが、武道における最大の修練のコツです。

YouTubeで色んな動画を参考にしたり、色んな講習会でつまみ食いのように技術指導を受けたりしても、土台がなければ決して自分の「力」にはなりません。 しかし、愚直に一つのことだけを完璧にしようと向き合えば、それは必ず確固たる実力に変わります。

見習い時代の基本が、あなたの「現在地」

あなたが少林寺拳法を始めた「見習い」の時に習った基本技。 その時は上手くできなかったかもしれませんが、今のあなたは、当時と比べてどれだけ質が向上していますか?

もし、見習いの頃の基本が大して伸びていないのだとしたら、それは「今まで何も成長していない」のと同じです。本当の力は全くついていません。

足元の基本ができていないにも関わらず、他にアレやコレやと手を出しても、時間と労力の無駄です。 まずはそもそもの「基本」に立ち返りましょう。道院・支部で日頃習っていることを、完璧に、そして忠実にできるよう修練し続けること。

それこそが、強くなるための唯一にして最大の王道なのです。

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